ポジショントレード:長期株式トレードの波に乗る

Stanislav Bernukhov

Exness シニアトレーディングスペシャリスト

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これは投資アドバイスではございません。過去の実績は将来の結果を保証するものではございません。取引に際しては、ご自身の責任で行ってください。

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ポジショントレードの定義は、主に株式、コモディティ、および外国為替の分野などの金融市場で使用されている戦略手法です。この手法では、数週間、数か月、数年という長期間にわたってポジションを保有すると資産価値が上昇すると信じて、取引ポジションを保有します。

この手法を株式市場で使用すると、多くの株式は長期にわたって値動きが大きい傾向があるため、ポジショントレードが特にふさわしいかもしれません。

例えば、TSLA株は2020年の$23から2021年には最高値の$433まで上昇しました*。紆余曲折があったとはいえ、TSLAにはその間に複数の長期ポジショントレードの機会がありました。

この記事では、テクニカル分析とファンダメンタル分析、重要な長期トレンドの見極め、市場変動と市場センチメントの把握、および他の取引戦略と比較した場合のリスクなど、株式トレードを行うすべてのポジショントレーダーがポジショントレード戦略を立てる際に、留意すべき重要な要素をご紹介します。

ポジショントレードの基本

株式市場は長期的な強気トレンドで知られているため、歴史的にポジショントレードは株式市場でパッシブ投資の次に人気のある取引スタイルでした。米国の株式市場では特に当てはまります。

ポジショントレーダーが株式トレードを好む理由

急成長株の中には、2桁や3桁の年間リターンを生み出す可能性があるものもあり、これは持続可能な長期トレンドに相当します。これが、株式トレードにおいてポジショントレードが特に魅力的な理由です。

株式の長期トレードが人気を博しているもう1つの理由は、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所は、通常の取引時間が1日あたり6時間半(09:30~16:00)に制限されているため、デイトレードには取引時間が短すぎると考えられているからです。前述した制限時間を超えたトレードは、「市場前取引」または「市場取引時間外」のどちらかとみなされます。通常の取引時間外の取引量は非常に少ないため、トレーダーは通常、その時間帯には積極的にトレードを行いません。

株式のデイトレードは、1日あたり数時間という非常に短時間に限定されています。従って、株式にはスイングトレードやポジショントレードの方が有利な取引スタイルです。

ポジショントレード vs スイングトレード(株式の場合)

スイングトレードとポジショントレードでは、翌日(場合によっては週末も)までポジションを持ち越す必要があります。ただし、これら2つの取引スタイルにはいくつかの違いがあり、それを覚えておくことが重要です。

スイングトレーダーは短期的な値動きから利益を得ることを目指しており、短期レンジ相場で両方向でトレードする場合があります。一方、大半のポジショントレーダーは、大きな利益を上げるために、より優勢なトレンドが必要です。

そのため、ポジショントレーダーはテクニカル分析とファンダメンタル分析の両方に焦点を当てる必要があります。この手法は、「成長株」、つまり長期的な成長が期待でき、バリュエーションに過熱感が見られない企業の株式を特定するのに役立ちます。

株式のポジショントレードのテクニカルパターンを理解する

長期ラリー(長期トレンド)に乗ることを目指しているトレーダーであれば、恐らくできるだけ早く乗りたいと思うでしょう。そのため、ポジショントレードで最も人気のあるパターンは「長期」のブレイクアウトであり、基本的には長期レンジ相場です。

複数の時間軸で発生する可能性があるブレイクアウトは、ポジショントレーダーにとって特に重要です。

例1

例えば、TSLAは2021年9月に大きなブレイクアウトが発生しました。上昇に転じる前は、4月から10月にかけて広範囲の価格帯で保合を形成しており、パターンが完成するまでに6か月かかりました。ブレイクアウト後、TSLAの株価は50%以上上昇し、最高値を更新しました。

2021年10月のTSLA株のチャートと、広範囲の価格帯でのブレイクアウト(丸で囲んだ部分)が分かります。出典:Tradingview.com

例2

米国の製薬会社Eli Lilly(LLY)も「ベースパターン」の例です。同社は強力なファンダメンタルズに牽引され、大きな値幅でレンジ相場を繰り返しました。3番目が2023年5月にレンジブレイクした後、LLYの株価は60%以上上昇しました。

株式市場では通常、強気のブレイクアウトが市場トレンドを示します。しかし、ベースを形成して下方にブレイクする銘柄もあります。株価は下落することもありますが、弱気相場のトレンドは通常、異なる働きをします。

強気パターンは形成されるまでに時間がかかるため、トレーダーは準備する時間が十分にあります。弱気相場では事態が加速します。

トレード判断を下したり、取引戦略を立てる際は、強気相場とは、はしごを一歩ずつ登るものだと考える必要があります。対照的に、弱気相場はエレベーターで急速に落下するようなものです。一般的に、弱気相場はスイングトレーダーやデイトレーダーに有利ですが、一部の銘柄には依然として長期的な弱気トレンドに乗るチャンスがあります。

2023年5月にベースパターンを大きくブレイクアウトしたことを示すLLY株のチャート。出典:Tradingview.com

弱気のパターンには通常、ヘッド・アンド・ショルダーやダブルトップなどの古典的な反転チャートのパターンが含まれます。

例3

ポジショントレードの典型的な弱気パターンは、Intel株(INTC)に見られます。大規模なヘッドアンドショルダーパターンを形成し、2022年6月に崩れました。この弱気トレンドは2022年10月まで続き、株価は約4か月間続落しました。この長期間にわたって、INTCはその価値の40%以上を失いました。特に他のロングポジションと組み合わせてショートポジションを維持した場合、トレーダーにとって良い機会となった可能性があります。

INTC株のチャート:2022年6月に大規模なヘッドアンドショルダーパターンが崩れました。出典:Tradingview.com

株式トレードのポジション管理

好機を待つ間、我慢強くなる必要があります。ただし、ポジションを発注したら、適切に管理することも同様に重要です。 そうしないと、ポジションがすぐに決済されてしまう可能性があるからです。

ポジショントレーダーがポジション管理取引戦略を行う際に頼っている主なツールは、決済逆指値(S/L)注文とトレーリングストップ注文です。

ポジショントレーダーとして決済逆指値(S/L)を設定する

優れたポジショントレード戦略の一端は、エントリーポイントとイグジットポイントを正確に特定し、市場や価格が急変動した場合に急速に資金を失うことを避けるために、リスク管理ツールを利用することです。従って、ポジショントレードを計画する上で、トレードに使用するすべての時間軸に決済逆指値(S/L)を設定することが欠かせません。ただし、決済逆指値(S/L)を現在価格から離れたレベル、つまりポジションのエントリー価格からより離して設定する必要があります。これにより、プルバックによってポジションが決済されるのを防ぎます。

何年も前、トレーダー集団「タートルズ」は、決済逆指値(S/L)を設定するための簡単なポジショントレードプランを取り入れました。「ピットの王子様」と呼ばれる有名なコモディティ投機家であるRichard Dennis氏の指導を受けた「タートルズ」のポジショントレーダー集団は、日足の時間軸にアベレージ・トゥルー・レンジ値の2倍の数値を決済逆指値(S/L)に設定することを勧めました。

2022年6月にINTCのショートポジションを建てたとします。

ショートポジションのエントリーポイントは$43でした。日足チャートのATR(20日間)の値は$1.57でした。エントリー価格から$3.14に決済逆指値(S/L)を設定し、$46.14.になったはずです。

上の画像は、2022年6月のINTC株の日足チャートです。決済逆指値(S/L)は、ATRインディケーターの2倍の値である$46.14に設定されました。出典:Tradingview.com

その後の展開は?

最初の下落の後に価格が$45に戻り、エントリーレベルを再テストしていることが分かります。$46.14の決済逆指値(S/L)は安全であり、このトレードが通常より早く決済されるのを防ぎました。

2022年6月のINTC株の日足チャート。決済逆指値(S/L)は$46.14に設定され、再テストに対して持ちこたえ、このポジションが通常より早く決済されるのを防ぎました

ポジショントレーダーがトレードを管理する方法

ポジショントレーダーは、トレードを開始する際のプロセスが異なることに気づくかもしれません。

市場の動きは必ずしも急速であったり、一方向に進んだりするわけではありません。それどころか、相場の変動は推進と修正によって起こります。経験則では、修正ピークが形成されるまで待ってから、決済逆指値(S/L)をこのピークより上に調整し、ATR値の2倍に相当する距離に決済逆指値(S/L)を設定することです。

先ほど述べたINTCトレードの例を見てみましょう。最初の調整ピークは$38.82で形成されました。トレーリングストップ注文を$41.99(ATR 値の2倍で当時は$1.36)に設定する必要がありました。価格が最初のピークを上回って別の調整ピークを形成したにもかかわらず、決済逆指値(S/L)には再び触れませんでした。

2022年7月のINTC株の日足チャートは、トレーリングストップ注文が深い調整を耐え、早期決済からポジションを保護したことを示しています。出典:Tradingview.com

最終的に、このトレードは初期リスクが1株あたり$3.14、潜在的な利益が1株あたり$14で$28.85で決済され、損益率はほぼ五分の一になります。

2022年10月のINTC株の日足チャート。ポジションはトレーリングストップロス注文によって決済されました。出典:Tradingview.com

株式トレードのファンダメンタル分析

株式をトレードする際に考慮すべき要素は数多くありますが、注意を払う必要がある重要な指標の一つは、一株当たり当期純利益(EPS)です。この指標は、企業が長期にわたって利益を上げ、収益を増加させる能力を示します。

一株当たり当期純利益(EPS)は、企業の収益性と業績に関する貴重な洞察を提供する基本的な財務指標です。これは、インベスターとアナリストの双方にとって、特定の銘柄の魅力を評価する際の重要なインディケーターです。

一株当たり当期純利益(EPS)の計算

EPSは、企業の純利益を発行済株式総数で割ることによって算出できます。計算式は以下のとおりです。

EPS=(純利益 ÷ 発行済株式数)

基本的に、企業が四半期ごとに一貫して利益率が伸びている場合は通常、その株式はヘッジファンドの購入リストに追加され、その株式に対する需要が増加します。

例えば、TSLA株の四半期EPSの予測を確認すると、次の四半期の安定した成長予測が分かります。

これは必ずしも購入する必要があるという意味ではありませんが、上昇トレンドのブレイクアウトが成功する可能性を高める前向きなインディケーターです。

2023年10月のTSLA株の四半期毎のEPSのダイナミクス(今後の四半期のガイダンスを含む)。出典:nasdaq.com

株式のポジショントレードのまとめ

  • ポジショントレーダーは、数か月続く可能性のあるトレードを比較的早い段階で開始するには、長期的な保合が崩れるのを待つ場合があります。
  • 値動きが直線に沿って上昇したり下降したりすることはほぼないため、ポジション管理は非常に重要です。資産価格は通常、古典的なインパルスフェーズと修正フェーズを形成します。
  • ポジショントレーダーは、成果を上げる確率を高めるために、EPSなどの基本的な指標でテクニカルな見解を裏付けます。

よくあるご質問

ポジショントレード戦略に理想的な銘柄は、常に安定した収益と利益を上げ、ファンダメンタルズが良好で、プラス方向の業績サプライズをもたらす成長株です。さらに、ハイテクなどの主要産業で事業を展開している企業の銘柄を選ぶのが良いです。代表的な例は、長期上昇トレンドと時価総額の大きさで知られているハイテク株のAAPL(Apple社)です。このような基本的な特徴に加え、テクニカルインディケーターを利用する際には、銘柄がテクニカル分析によって裏付けられている必要があります。

取引スタイルには本質的な良し悪しなどなく、むしろご自身の性格に合うものが必要です。ロングポジションを維持することは、市場トレンドが発生していない場合、かなり長期間にわたって利益が見込めない可能性があるため、ポジショントレードの計画は誰にでも適しているわけではありません。一方、デイトレードは短期的なパフォーマンスを追求します。決定的な違いは、日々の競争が激しく、利益の可能性が限られているため、より難しいという点です。さらに、デイトレーダーは、高速な取引環境で感情的圧力を受けながらトレードを行うため、ミスや誤った判断を犯しやすい傾向があります。

ポジショントレーダーは、適切な銘柄を選択して適切なリスク管理を行えば、長期にわたってトレードを継続し、市場の動きに任せることができます。主な課題は、適切な銘柄とエントリーのタイミングを見つけることです。

ポジショントレーダーは通常、日足チャートを使用します。ただし、各トレーダーは独自に時間軸を組み合わせて使用し、エントリーポイントを微調整します。例えば、日足チャートを分析し、4時間足または1時間足チャートでポジションを建てます。それにもかかわらず、ポジショントレーダーが主に使用する時間軸は依然として日足チャートです。

ポジショントレードの話をしている場合、弊社では長期トレンド追随型トレードを指します。ポジショントレーダーが長期トレンドを追随したい場合、まずは強いトレンドを見つける必要があります。つまり、成長する可能性があり、ファンダメンタルズのしっかりした銘柄を選択します。

ポジショントレードとは、弊社では長期トレンド追随型トレードを指します。ポジショントレーダーが長期トレンドに追随したい場合、まずトレーダーは、間もなくブレイクしそうなレンジ相場を探します。ブレイクアウトが発生すると、比較的早い段階で長期トレンドに乗ることができるため、有利な損益率が得られます。

理想的には、かかる費用が多くなっても、ポジショントレードを行う際はスワップフリー取引口座のご利用をおすすめします。スワップによってトレード利益の一部を失う可能性がありますが、その額は通常それほど大きくありません。ポジションを保有する期間が1~2週間以内の場合は、どの取引口座でもこの取引スタイルに合います。

株式のポジショントレードをお試しになる準備は整いましたか?

株式市場でのポジショントレードは、特に時間の経過とともに大きな値動きがある場合に、長期的な投資戦略として有益です。前述したように、近年のTSLAの著しい上昇は、ポジショントレーダーに絶好の機会をもたらしました。正しい知識と戦略があれば、このような金融市場のトレンドから利益を得られます。

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ただし、投資の道のりは十人十色であり、信頼できるパートナーを持つことは非常に重要です。そこでExnessがお役に立ちます。実証済みの専門知識を生かし、弊社は強力なプラットフォームとツール、市場より優れた取引条件、およびポジショントレードをサポートする保護手段を提供しています。躊躇する必要はありません。今日からExnessでトレードを開始し、刺激的な金融市場を実感してください。

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